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受注・施工計画時におけるCO2削減

設計VE提案(構工法・建築設備)、施工計画での配慮

建設業におけるCO2削減については、施工時のCO2排出量は全体の1.5%に過ぎず、建設資材生産や建設関連運輸と、施設が完成した後の運用段階を含めた建設関連のCO2排出量は、国内総排出量の4割強を占めていることから、建設物のライフサイクル(LC)を通した対策を考えなくてはいけません(IPCCの第4次評価報告でも「CO2削減ポテンシャルは建設部門が最大」と明言しています)。

そのためには、設計段階でLCCO2削減を考慮したCASBEE※によるVE提案や、施工計画段階で省エネ型建設機械導入や省エネ・省資源に繋がる構工法及び建築設備の選定、廃棄物削減計画等の温暖化対策を実施することが有効です。
国交省は「環境行動計画2008」において地球温暖化対策の強化について数々の施策を打ち出しています。こちらの資料の16〜20ページに、地球温暖化対策の強化について施策がまとめられています。

また、東京都も「地球温暖化対策計画書制度」や「建築物環境計画書制度」等の温暖化対策を実施しています。

CASBEE※:「建築物総合環境性能評価システム」の略称で、建物を環境効率で評価し、格付けをする手法の一つです。すなわち、省エネ・省資源、リサイクル性能といった「環境負荷低減への取組み」、及び持続可能性、室内の快適性、環境への配慮、ユーザーのアメニティ向上等の「環境品質・性能」の二つを総合的に評価するシステムで、環境品質・性能(快適性)/環境負荷(エネルギー)で環境効率を表します。

以下に、受注・施工計画時における温暖化対策事例を紹介します。

温暖化対策事例

事例1)場所打ち杭を利用した地中熱空調システム(大成建設株式会社)

外気温度より夏は低く、冬は高い地中の熱を冷暖房に利用した低コストで省エネルギーな空調システムです。
従来の地中熱空調システムに比べ、杭を利用することでイニシャルコストが安くできます。
また、空調用の機械を効率良く運転できるため、省エネルギーとなり、ランニングコストも安くできます。

大成建設株式会社「場所打ち杭を利用した地中熱空調システム」


事例2)夏に道路が熱くならない技術「クールパービアス」(株式会社NIPPOコーポレーション)

排水性舗装に遮熱コート(パーフェクトクール)をコーティングした路面温度の上昇抑制機能を有する遮熱性舗装です。
パーフェクトクールには中空セラミック微粒子と熱反射性特殊顔料を含有し、太陽光等の赤外線の吸収による路面温度の上昇を低減します。
車道用として濃灰色(既設アスファルト舗装色,最大約15℃低減)と灰色(コンクリート舗装色,約20℃以上低減)を標準色として設定しています。
現場透水量等はパービアスとほぼ同等です。

株式会社NIPPOコーポレーション「遮熱排水性舗装 クールパービアス」


事例3)屋根散水システム(三井住友建設株式会社)

水の蒸発冷却効果を利用して、夏場の熱環境を改善する涼房システムです。
屋根からの熱負荷を完全にカットし、空調負荷を大幅に削減します。
日中のピーク時で室内温度が10℃〜3℃程度下がります。その上、屋根からの放射熱を大幅にカットしますので、体感ではそれ以上の効果が期待できます。
一定面積ごとに散水場所を切り替える「順次散水式システム」は、当社オリジナルで、システムがコンパクトになり、ランニングコストも大幅に低減します。

三井住友建設株式会社「屋根散水システム」


事例4)丸の内再構築事業の例

丸の内・大手町地区は「都市再生事業を通じた地球温暖化対策・ヒートアイランド対策の展開」を行っています。
丸ビルでは省エネと快適性の両立をめざし、さまざまな技術を導入し、通常のオフィスビルと比べて約3割の省エネ効果を見込んだ設計としています。

[丸ビルに採用された主な省エネ対策]

  • 外壁・二重窓
  • コジェネレーション
  • 氷蓄熱システム
  • 外気冷房
  • エアバリアシステム
  • 自動調光システム
  • ゾーン別の空調
  • 大温度差送水システム


事例5)再開発工事における環境負荷低減活動(株式会社竹中工務店)

再開発工事における設計・施工を通じて環境負荷低減工法を選定、躯体のPC化等を積極的に採用し、生コンの運搬車両台数を大幅に低減しました。
さらに砂礫層掘削時の発生土3,600m3のうち2,600m3以上を再生砕石工場でリサイクルし、CO2排出量約40.0tの発生を抑制しました(日建連「建設施工分野排出量調査シート」より試算)。

◆CO2削減効果→約40.0t

  • PC工法採用によるCO2削減効果=コンクリート7,500m3低減→生コン車1,500台分
  • 発生土リサイクルによるCO2削減効果=発生土(砂礫)3,600m3→ダンプ車2,600台分

株式会社竹中工務店「再開発工事における環境負荷低減活動」
社団法人建築業協会発行「建設副産物の減量化・資源化事例集」より


事例6)天然骨材使用削減によるCO2削減(株式会社奥村組)

コンクリート塊から製造した再生骨材をコンクリート用再生骨材として利用する研究が進められ、H、M、LのJIS規格が制定されました。
今回、コンクリート塊のリサイクルの一層の推進を目指して、Mクラス再生骨材を使用したコンクリートの大臣認定を取得し、場所打ちコンクリート杭と基礎に適用しました。
天然骨材の使用量を削減することにより、CO2排出量約84.0tの発生を抑制しました。

◆CO2削減効果→約84.0t

  • 再生骨材コンクリートの打設によるCO2削減効果
    (a)場所打ち杭:450m3
    (b)耐圧盤・フーチング:600m3
    (a)+(b)=天然資源1000t削減→杉の木6,000本分(杉の木1本当り1年間に平均して約14sのCO2を吸収するとして試算)

株式会社奥村組「再生骨材コンクリートの建築物基礎への適用」
社団法人建築業協会発行「建設副産物の減量化・資源化事例集」より


事例7)建設汚泥処理土の場内再生利用の促進(戸田建設株式会社)

国土交通省策定による「建設汚泥処理土利用技術基準」により、建設汚泥の場内再生利用の用途が広がりました。今回、建設汚泥の場内再生利用を推進することにより場外運搬を減らし、CO2排出量を大幅に削減しました。

◆CO2削減効果→約8.8t

  • 場外運搬が無くなるため、CO2排出量が削減される(汚泥発生量は2,500m3、処理施設までの距離は15kmとして、「3団体地球温暖化防止対策WG」の算定基準より試算)。

    (a)運搬車両の排出量
    =2,500(m3)/6(m3/台)×15km×2/2.5(km/l)×0.00262(t-CO2/l)=13.1(t-CO2)
    (b)バックホウの排出量
    =2,500(m3)/20(m3/h)×13(l/h)×0.00262(t-CO2/l)=4.3(t-CO2)
    (a)−(b)=8.8(t-CO2)

戸田建設株式会社「建設汚泥処理土の場内再生利用の促進」
社団法人建築業協会発行「建設副産物の減量化・資源化事例集」より


事例8)産廃処理ルートのモーダルシフト化によるCO2削減(関東建設廃棄物協同組合)

廃プラスチック類などの処理ルートを共同確保しましたが、移動場所が北海道から九州に至るため、「JRコンテナ」や「フェリー輸送」によるモーダルシフト化を行い、輸送によるCO2削減に取り組みました。

◆CO2削減効果(トラック輸送から鉄道輸送に代替えした場合)→約163t(削減率85.6%)

  • 輸送産廃物を年1000tとする
  • 処理先=山口県(共同確保先)
  • 距離=東京都〜山口県まで約1100km
  • 鉄道輸送の場合、それぞれ駅まで10kmをトラックで運搬する

    (a)トラック輸送:1000(t)×1100(km)×173(gCO2/t/km)=190.3t
    (b1)鉄道輸送(鉄道部分)1000(t)×1080(km)×22(gCO2/t/km)=23.8t
    (b2)鉄道輸送(集配部分)1000(t)×20(km)×173(gCO2/t/km)=3.5t
    (a)−((b1)+(b2))=163

◆CO2削減効果(トラック輸送からフェリー輸送に代替えした場合)→約149.3t(削減率76.4%)

  • 輸送産廃物を年1000tとする
  • 処理先=福岡県(共同確保先)
  • 距離=東京都〜福岡県まで約1131km
  • 港まで東京では10km、福岡では2kmをトラックで運搬する

    (a)トラック輸送:1000(t)×1130(km)×173(gCO2/t/km)=195.5t
    (b1)フェリー輸送(フェリー部分)1000(t)×1130(km)×39(gCO2/t/km)=44.1t
    (b2)フェリー輸送(集配部分)1000(t)×12(km)×173(gCO2/t/km)=2.1t
    (a)−((b1)+(b2))=149.3

※輸送機関別の「輸送トンキロ当たりCO2排出原単位」は国土交通省、経済産業省資料より


関東建設廃棄物協同組合「処理業界における処理困難物のリサイクル技術開発とCO2削減」
社団法人建築業協会発行「建設副産物の減量化・資源化事例集」より


改修・リフォーム提案での配慮

省エネを考えたリフォーム

省エネを考慮したリフォームが最近注目を集めています。
室内と外との熱の出入りができるだけ少ない構造とし、冷暖房機器によるエネルギー消費を減らすもので、窓やドアの断熱性向上、壁や床、天井・屋根への断熱材使用などにより対応します。

  • 熱を伝えにくい耐熱ガラス
  • 断熱タイプのドア

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