[シリーズ・東建この人D] IT 研究会座長 須山章次氏

■ 東建月報2011年10月号掲載


さらに建設ITのスキルアップ、今年は電子納品をテーマに

東建IT研究会は、東京都でも電子入札が本格実施されるなど、建設業を取り巻く環境が急速に進展していることに鑑み、「建設会社の利益に結びつくITの研究及び支援」を目的に、平成16(2004)年5月14日に設立された。

須山氏は、本研究会に、平成17年4月に委員として参画し、平成18年5月に副座長に就任、今年5月から座長に就き研究会を率いることになった。

研究会では、東建会員のITのスキルアップを目的に、平成18年に現場職員の『建設IT対応スキルアップ標準教育体系及び教育プログラム』を作成したのを皮切りに、現場職員に求められるITスキルを、職位別に自己診断し、スキルアップするための指針を示した「建設ITスキル評価基準及び自己診断ツール」を取りまとめ、インターネット上に公開したほか、教科書的役割として平成21年には『建設IT読本』をまとめ、23年度までに3版改訂発行している。カリキュラム、教育マニュアル、自己診断評価、読本、そしてセミナー。実務に即して役立つと、好評なIT活用セミナーも「内容を工夫し、新しい情報を取り入れながら、これまで同様、年間2回程度は行いたいと思っている」とのこと。

研究会活動で配慮しているのは、「東建会員は、様々な規模の会員会社があるが、ITの研修やスキルアップを最も必要としているのは中堅から中小規 模の会社だと思う」と対象をきちんと想定することだと言う。

東京都との、電子納品などについての意見交換にも力を入れている。また他の建設業協会の、ITの検討組織との交流や意見交換も進めていて、これまで岐阜県や秋田県、関東地方の各県の建設業協会と意見交換を行っている。「IT活用を普及させるためにも、輪を広くして、問題点を浮き彫りにし、改善へつなげたい」。また、今後の課題として、「今までのIT研究会の成果物が一巡したことを踏まえ、会員会社でどのように使われているか、どんな内容が必要か、そうしたニーズを把握することにも取り組み、改善していきたい」と抱負を語る。

竹中土木への入社は昭和50(1975)年。大阪府立西野田工業高等学校を卒業し、神戸学院大学法学部法律科に進学。将来は海外で活躍しようと国際私法 を学んだ。しかし、学生時代から建設会社・測量コンサル会社でアルバイトをしていたことから、「ものづくり」の面白さに興味を持ち、建設会社に入社した。東京本店の 工事部原計課から総務部経理課に配属になり、個別原価計算や工業簿記・会計学・税務(法人税法等)などの基礎知識を習得するため夜学の簿記専門学校に通った。何事も 徹底して基礎から学ぶガッツがある。

昭和60年から本社の財務本部財務部に配属となり、会計・税務などの業務並びに財務会計システムを担当し、その後、事務システム再構築プロジェク トリーダーとして、全基幹システムの再構築、情報インフラの整備など社内の業務改善に努めた。 新システムの本稼働と共に平成17年1月情報システム部長、20年に管理本部人事部長、22年2月から現職。東建だけでなく日建連の公共工事委員会ICT部会でも活躍している。

趣味がすごい。山岳マラソン(トレイルランニング)で、東京都山岳連盟主催の日本山岳耐久レースなどに出場している。これは、奥多摩全山の行程 71.5kmを、24時間以内に完走するというすさまじいもの。また神奈川県山岳赤十字奉仕団として、山の技術を生かし災害救護・復興支援等のボランティア活動にも参加。休日は、丹沢山系でトレイルランをして鍛えている。

神奈川県茅ヶ崎在住。大阪市出身、60歳。

IT 研究会の皆さん
委   員戸川和史安藤建設(株)
 浅賀泰夫(株)大本組
 舟木周次共立建設(株)
 大島 修戸田建設(株)
 仙波幹徳三井住友建設(株)