企業の展示を見学する近藤会長(右)ら |
当協会と東京土木施工管理技士会は、9月26日(水)から28日(金)の3日間、新宿駅西口広場イベントコーナーで、まちづくり展2012「東京をつくる・ まもる・建設業」を開催した。3日間で約1万2000人が来場し、今年も盛況だった。例年、一般の方々に建設業の技術や取り組みをアピールする機会となって いる「まちづくり展」の今年のテーマは「東京を首都直下地震からまもる」、「省エネに取り組む」、「東京の未来に向けて」の3つ。それぞれテーマゾーンを設け て、会員企業23社の技術や研究開発、出展協力(官公庁、団体、大学・高校・中学校など)の17機関の事業や取り組みを、模型・パネル等で分かりやすく展 示した。東京2020オリンピック・パラリンピック招致コーナー、相談コーナー、クイズラリー「なるほどグラフィック」も人気を集めた。
祝辞を述べる、左から杉ア管理官、砂川部長、橋本事務局長、樋口事務総長代行 |
初日の9月26日は、午後1時からオープニングセレモニーが開催された。冒頭、主催者を代表し当協会の近藤晴貞会長が「建設業に対する理解促進を目的に平 成17年から開始し、今年で8回目となる展覧会であり、都民の皆様の生活を支え、安全で安心なまちづくりを担う技術やノウハウに目を通し、触れていただく貴重 な機会である。必ず来ると言われる首都直下地震に対し、東京都は被災建物の全壊棟数を20万棟減らす目標を掲げているが、建設業界も様々な研究開発を通 じ、安全・安心なまちづくりに努力していきたい」との旨、挨拶を述べた。
その後、来賓挨拶として、国土交通省関東地方整備局の杉ア光義地方事業評価管理官、東京都都市整備局の砂川俊雄市街地建築部長、東京商工会議所の橋本昌 道理事・事務局長、(特非)東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会の樋口修資評議会事務総長代行兼事務局長がそれぞれ祝辞を述べた。この中で、 樋口氏は「招致は、安全安心な都市における開催計画となっている。だが国内の支持率が低く、これを高めることが招致につながる。そのための周知活動を進め る。実現すれば、3兆円の経済効果、15万人以上の雇用創出、インフラ・まちづくりが進められる」と呼びかけた。
近藤会長、水島久尾東京土木施工管理技士会会長(当協会副会長)、来賓の方々が壇上に上がり、テープカットが行われた。
主催者及び関係団体によるテープカット |
オープニングセレモニーに続き、サッカー解説者の松木安太郎氏が「ロンドンオリンピックの感動を東京で!」と題してトークショーを行った。松木氏は、サッカ ーをはじめとするスポーツの素晴らしさを明るく語り、「私は昭和32年生まれなので、東京オリンピックの時は小学校1年生。東京タワーが建った、高層ビルが出来た、新幹線が走ったという中でオリンピックを迎えたから、その後、自分の生きる上で大きな刺激になった」と振り返った。また「オリンピック・パラリンピックの重要性はスポーツを競うだけでなく、建設業も含めて日本中のいろんな方々が手を取り合って一つになり、世界の人たちと文化の交流をすることだと思う。ボランティア、運営など、地域に根付いているいろんな分野の方々が一つに繋がって大きな輪にすることだ」と開催の意義を語った。
主催者及び関係団体によるテープカット |
小型のショベルカーに乗って記念撮影 |
会場では、2012ロンドンオリンピック・パラリンピックのメダリストのサイン寄せ書き、筑波大学付属駒場中学校の生徒が制作したビデオ「招致の願い」、 「快適と建築」の放映、ミニ建機(ショベルカー)に乗っての記念写真撮影、ハイビジョン空撮「東京スキャナー」などのトピックイベントが行われた。会員各 社の、防災・耐震技術、自然エネルギー利用や省エネ技術の模型やパネル、関東地方整備局や東京都(都市整備局、建設局)の事業紹介も一般来場者の関心を集 めていた。
展示会では、未来を担う学生の作品展示にも力を入れている。昨年開かれた、「東京都建設系高校生作品コンペティション2011」における、東京建設業協会会長 賞など受賞作品も展示。特にポスター部門では、今年12月4日〜6日に行われる東京都建設系高校生作品コンペティション2012のポスター部門の入賞作品(最優秀賞 は私立日本工業大学駒場高等学校建築科3年生の木村堯志さんの「待ち続ける東京ー」)を先がけて展示した。大学などからの模型、パネルも関心を集めた。
東京都住宅バリアフリー推進協議会、(社) 東京電業協会、(一社)東京空調衛生工業会による相談コーナー、さらに当協会による耐震診断相談にも、さまざまな質問が寄せられた。
平成17年度から始まった展示会は、今年で8回目となります。都民の皆様に、建設業に対する理解を深めていただくことを目的と致しまして、本日より9月28 日(金)までの3日間開催いたします。
この度も、会員企業の皆様をはじめ、各方面より、多数のご出展をいただくとともに、国土交通省関東地方整備局様、東京都都市整備局様、東京商工会議所様、 ならびに、東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会様のご後援をはじめ、数多くのご協賛とご協力を得まして、「まちづくり展」を、開催する運び となりました。
このように、都民の皆様に暮らしを支える建設技術に触れ、環境にやさしく安全で快適なまちづくりへの理解を深めていただくための機会は、建設業界にとり まして大変貴重であり、厚く御礼を申し上げます。
さて、東日本大震災の被害の痛みは記憶に残っておりますが、東京都は地域防災計画を5年ぶりに見直す素案を発表しました。必ず来るといわれる首都直下地 震に対して「自助・共助・公助を束ねた地震に強いまちづくり」の視点から建築物の全壊棟数を約20万棟減らす目標を掲げております。
今年の「まちづくり展」のテーマは「東京を首都直下地震からまもる」でございます。私ども建設業もこれまで培ってまいりました「技術とノウハウ」をもと に、「建物の免震装置や耐震補強、あるいは地盤の液状化対策」など様々な研究開発を通じて、「安全・安心なまちづくり」に日々取り組んでいるところでござ います。その一端を、是非、この3日間の中でご覧いただきたいと考えております。
また、今回の「まちづくり展」には、「東京オリンピック・パラリンピック招致コーナー」を設け、ロンドンオリンピック・パラリンピックで活躍された日本 選手メダリストのサインを展示するなど招致気運を盛り上げていきたいと思います。
東京は、他の候補地に比べて支持率が低いといわれていますが、銀座の凱旋パレードでは50万人の観衆が集まって熱狂的なイベントとなりました。
当協会でも東京開催が実現すれば、元気がないといわれている日本経済活性化の起爆剤となるとの期待を寄せて招致活動に協力してまいりたいと思います。
また、この後のトークショーにサッカー解説者の松木安太郎様にお越しいただき、ロンドンオリンピックの話題、東京オリンピック招致に向けて、スポーツに おける熱い想いを語っていただく予定です。
加えて、筑波大学付属駒場中学生による「オリンピック東京招致の願い」、「快適と建築」の研究発表もビデオ映像で出展いただいたほか、「まちづくり」や「国 土の発展」を担う大学生・高校生の作品が展示されております。
このような取り組みを通して、次の時代を担う子供たちや若手の皆さんが、将来、建設産業との関わりを深めてくれることにつながるならば、主催者と致しま しても大変うれしい限りであります。
是非多くの皆様にご覧いただきたいと存じます。
最後になりましたが、「まちづくり展」の開催にあたり、ご尽力をいただきました関係者の皆様に心から感謝申し上げますとともに、ご来場の皆様のさらなる ご健勝とご発展を祈念いたしまして、挨拶とさせていただきます。