招致委員会の水野正人専務理事らが1月7日、スイス・ローザンヌに本部を置く国際
オリンピック委員会(IOC)を訪問。開催計画の詳細を示す「立候補ファイル」を提
出した。これで、国際的なプロモーション活動が解禁され、招致レースが本格化する。

2020年夏季五輪の東京開催へ、招致活動の正念場を迎える。「東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会」(会長・猪瀬直樹東京都知事)は1月7日 に開催計画となる立候補ファイルを国際オリンピック委員会(IOC)に提出。東京、イスタンブール(トルコ)、マドリード(スペイン)の立候補3都市による熾烈な 招致レースがいよいよスタートを切った。招致の実現は日本経済にとって大きな起爆剤になる。社会資本投資の増大など、新たな経済成長への期待も高まる。

1月8日に公開された立候補ファイルによると、晴海地区に整備する選手村、メーンスタジアムとして改築する国立霞ヶ丘競技場の改築を始め、競技会場の整 備に総額4554億円を投入する。

選手村は、周辺で大規模な再開発プロジェクトが進行するなど、民間の積極的な投資が見込める晴海地区の都有地44haに建設する。建設費は1057億円を見込む。

立候補ファイルを手にする猪瀬委員長(中央)ら

オリンピックスタジアム(国立霞ヶ丘競技場)の改築には1338億円を盛り込んだ。

このほか、都が整備主体となる有明アリーナ(177億円)、バドミントンやバスケットボールの会場となる夢の島ユース・プラザ・アリーナ(369億円)、競 泳などの会場となるオリンピックアクアティクスセンター(397億円)など、計9会場を新規整備する計画である。

東京圏の33会場のうち、28会場は選手村を中心に半径8km以内に集約。成熟都市とも言われる東京の高度な輸送インフラを生かし、大会の理念とするW選手第一主義W の開催を目指す。

招致委員会の会長を務める猪瀬知事は8日の会見で「(国際的なプロモーション活動は)スタートが大事。招致レースのスタートダッシュを決める」と宣言。開 催都市が決定する今年9月7日までの8カ月、「大会の成功に向けて東京都が中心になって取り組んでいく」と述べた。

また、「招致はオール・ジャパン一丸となって取り組まなければ成功しない。招致にかける情熱を国内外に訴えていく」と力を込めた。