2022年 年頭あいさつ 新春に寄せて

2022年の新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。

会員の皆さまには、平素より協会運営に格別のご理解とご協力をいただいておりますことに心より感謝申し上げます。

さて、昨年を振り返ってみますと、新型コロナウイルス感染症の流行が収まらず、東京では緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の実施により、長期にわたり経済活動が停滞し、深刻な打撃を被りました。

そうした状況下ではありましたが、1年延期となった東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が、徹底した感染防止対策のもと開催されました。

我々建設業が造った都市「東京」の魅力と世界に冠たる建設技術を訪日外国人の方々に体感していただくことは叶いませんでしたが、連日のオリンピアン・パラリンピアンによる熱戦と日本代表選手のメダルラッシュが、コロナ禍に見舞われた多くの人々に勇気と感動をもたらしました。

一方、コロナ禍においてDXが加速、建設業界でもBIM/CIMをはじめ、ウェアラブルカメラによる遠隔地からの施工管理、ICT建機の遠隔操縦、さらには建設ロボットの活用などの取り組みが進展しました。

ニューノーマル・ウィズコロナ時代の到来は、建設業界に働き方改革を促し、各企業がさらなる生産性向上を図る契機ともなりました。

建設業への時間外労働の上限規制適用まで残り2年余りと迫ってきておりますが、ピンチをチャンスと捉え、積極的に生産性向上に取り組むことが肝要かと存じます。

また、建設業界が直面する大きな課題である人材の確保・定着のためには、完全週休2日の実現、長時間労働の是正、労働安全対策の徹底などに取り組むとともに、賃金の引き上げなどの処遇改善を図ることにより、他産業に劣らない環境を整えなければなりません。

そのためにも、官民が連携して取り組んでいるCCUSの普及を加速させ、技能者の能力を適正に評価・処遇する必要があり、会員の皆さまには引き続きご協力をお願いしたいと存じます。

ところで、本年の干支は壬寅(みずのえとら)で、厳しい冬を越えて、芽吹き始め、新しい成長の礎となる年であると言われております。

近年、気候変動により大規模な風水害が頻発し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが急がれておりますが、建設業界でも、新築時におけるZEBの標準化や既存建築物の改修時におけるZEBへの移行をはじめ、CO2排出量の削減に向けた取り組みが欠かせない時代が到来しており、多くの企業が持続的な発展に向けて、新たな一歩を踏み出す機会の年となることと存じます。

本年も、建設業界を取り巻く様々な課題の解決に向けて全力で取り組む所存でございますので、ご理解とご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

結びに、新型コロナウイルス感染症が一日も早く収束し、東京都をはじめ我が国全体が明るい年となることを願うとともに、建設業のさらなる発展と皆様方の益々のご健勝を祈念いたしまして、年頭の挨拶とさせていただきます。

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