東海旅客鉄道(株)(JR東海) が2027年の開業を目指す、リニア中央新幹線(品川~名古屋間)の工事実施計画(その1)が10月17日、国土交通省から認可された。東京都内でも、2015年春から既存建物撤去に着手し、非常口の掘削工事に入る予定だ。これまでに、北品川4丁目付近では地下70m にトンネルを構築することをJR東海が明らかにしている。超電導リニアと都心部を地下70m の大深度で掘削するという、2つの世界最先端技術を使った大規模プロジェクトが始動する。
東京都内は全線がトンネル構造で、工事によって発生する建設残土は東京ドーム6杯分に相当する約750万m3が見込まれている。大深度地下にシールド機を進めるための発進立坑は、品川区北品川4丁目付近の目黒川、山手通り(環状6号線)、JR東日本線・東海道新幹線に囲まれた場所に整備される。
都内の路線延長は19.4kmで、このうち18kmが大深度地下トンネルとなる。2017年度にシールド機を搬入、18年度から掘削工事に入る予定だ。
太田昭宏国土交通大臣は認可した10月17日、「リニアは三大都市圏の人の流れを大きく変え、国民生活や経済活動に強い影響を与える重要な事業。建設発生土の運搬に伴う地域住民への影響や南アルプストンネルなど難易度の高い工事が想定される」と語り、「地域と密接に協力・連携し、環境保全や安全で確実な施工の実施を求めたい」と期待を寄せた。
JR東海では認可を受け、沿線47市区町村全てを対象に、12月8日までに計58回の住民説明会を開く予定だ。
柘植康英JR東海社長(左)に工事実施計画 認可書を手交する太田大臣 |
各地で開かれた事業説明会(町田会場) |