注目を集めていた2020年東京オリンピック・パラリンピックのメーン会場、「新国立競技場」整備事業の事業者が、大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所JVに決まった。2019年11月末の完成をめざす。
新国立競技場は、杜のスタジアムとして歴史がある神宮の緑をつなぎ、100年後を見据えた「生命の大樹」をコンセプトに、鉄骨トラスと木の集成材を組み合わせたハイブリッド屋根で伝統的な「和」を表現。360度連続したすり鉢状の3層構造スタンドによって、安全と見やすさに加え臨場感も共存させているのが特徴だ。
すでに第1期事業として、今年11月末までを期間とした、基本・実施設計と施工技術検討業務を契約。12月から工事に着手する予定となっている。
新国立競技場整備予定地周辺地域にも変化が訪れている。すでに、16階建ての日本青年館・日本スポーツ振興センター本部棟新設工事が2017年5月完成へ向け建設が進む。公益財団法人日本体育協会と公益財団法人日本オリンピック委員会や加盟競技団体が入居する"日本スポーツの総本山"である岸記念体育会館も、新国立競技場予定地近くの新宿区霞ヶ丘町地区に移転する。2017年夏に着工し、2019年春の完成をめざす。
このほか新国立競技場周辺の神宮外苑地区にある、都営霞ヶ丘アパートは移転し、1964年の東京五輪時に海外報道機関向け宿舎として整備され、その後分譲住宅となった外苑ハウスも高層住宅としての建て替えが想定している模様だ。
五輪後に完成する神宮球場と秩父宮ラグビー場の用地交換による建て替えもひかえ、東京都や民間企業など関係6権利者による神宮外苑地区の再整備は進む。新国立競技場を代表施設とする神宮外苑地区は、日本のスポーツ拠点として大きく変わりそうだ。