完成した新宿ミライナタワーとバスタ新宿。 駅周辺の混雑 解消、交通関連施設の集約を図る 写真奥が池袋方面、手前が代々木方面 |
JR線と国道20号線の交差する老朽化した新宿跨線橋の道路拡幅や耐震性向上を目的とした架け替えに伴う新宿駅南口地区整備事業。JR線の上空に人工地盤を設け、日本最大の高速バスターミナルやタクシー乗り場などを備えた「バスタ新宿」と、新たなランドマークとなる複合施設「JR新宿ミライナタワー」とを整備し、4月4日無事開業を迎えた。この事業は立体道路制度を活用し、16年にわたる工事期間を要した国土交通省関東整備局と東日本旅客鉄道(株)との、まさに道路と鉄道との事業連携の成果である。
新宿駅は乗降者数が1日当たり約340万人と日本一のターミナル駅。国道20号線に接する新宿駅南口は乗降者数約43万人、跨線橋を渡る歩行者は1日当たり約14万人を数える。客待ちタクシーなどによる交通渋滞や、跨線橋の歩道幅が狭いために起きる接触事故や通行障害という課題を抱えていた。
さらに新宿は駅周辺の19カ所に高速バス乗降場が点在する、日本でも有数の高速バス発着場所だった。点在していた高速バス乗降場を集約させたバスタ新宿の完成によって、高速バスと鉄道などとの乗り換え時間は従来から半減、国内利用者だけでなく、訪日外国人旅行者にとっても利便性が向上する。バスタ新宿の内部や進入路は国道20号線の立体道路区域となっている。
跨線橋の道路・歩行者道ともに拡幅され、国内最大の高速バスターミナル誕生によって、新たなインフラ効果が発揮されることになる。