東京都が発注した平成27年度工事の入札不調発生率(開札件数に占める不調件数の割合)が9.8%と3年ぶりに1桁台に落ち着いた。入札不調の高い発生率は受発注者双方にとって問題となっていた。前年度まで2年連続で不調発生率が20%台だった建築工事や不調発生率が上昇していた土木工事が減少に転じ、27年度の発生率を押し下げた形だ。都は27年度から、WTO(世界貿易機関)対象以外のすべての工事に最低制限価格制度を適用する、3年間限定の臨時措置を開始していた。
東京都は27年度に入札不調発生率が減少したことや、臨時措置を適用した予定価格規模の建築工事の入札参加者数も1者応札案件数の割合が26年度から24ポイント減少したことを踏まえ、都議会財務委員会で、「最低制限価格制度の有効性を改めて確認することができた」と、臨時措置の効果を強調した。
東京都が公表した27年度の工事契約状況(予定価格が250万円を超える競争入札案件。公営企業局含む)では、平均落札率が前年度比0.8ポイント下落し91.1%となった。また、低入札価格調査制度の適用案件数は、最低制限価格制度の適用拡大に伴って、26年度の114件から27年度は11件と大幅に減少した。