新駅は2020年暫定開業
2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に弾みをつけ、東京都心の新たな国際交流拠点をつくる、「品川新駅(仮称)新設・品川駅北周辺地区土地区画整理事業」の起工式が2月10日、東京都港区の品川車両基地跡地で開かれた。東日本旅客鉄道(株)(JR東日本)が、品川・田町両駅の間に新駅をつくり、2020年春には暫定開業を予定。一方、(独)都市再生機構(UR)は、新駅周辺の約14.7haを対象に、都市計画道路(幅18~22㍍)や地区幹線道路(幅10~31㍍)のほか区画道路1~4号とアクセス路、街区公園1~3号などの基盤整備を土地区画整理事業の対象として行う。事業費は約592億円、事業期間は2031年度(清算期間含む)まで。新駅と周辺の新たな基盤整備を受けた大規模開発も予定されており、まったく新しい街が今後誕生することになる。
新駅の完成予想 |
2020年春の暫定開業を予定している新駅は、S造一部RC造地下1階地上3階建て総床面積約7600㎡の規模。日本の伝統的な折り紙をモチーフにした大屋根は、障子をイメージして膜や木などの素材を活用し『和』を感じさせるデザインだ。
設計は、JR東日本(東京工事事務所と東京電気システム開発工事事務所)、ジェイアール東日本コンサルタンツ(株)・(株)ジェイアール東日本建築設計事務所JV、日本鉄道電気設計(株)。デザインアーキテクトは(株)隈研吾建築都市設計事務所、照明デザインは(株)ライティングプランナーズアソシエーツが担当。施工は、(株)大林組・鉄建建設(株)JV(土木、建築工事)と日本電設工業(株)(電気通信関係工事)、東鉄工業(株)(新駅新設に伴う軌道工事)。
JR東日本の冨田哲郎社長は3月の定例会見で、今年4月1日に会社発足30周年の節目を迎えるに当たり、「駅を中心とした魅力あるまちづくりの推進と、選ばれる沿線ブランドの確立に取り組む」ことを強調。品川新駅と品川駅を中心とした開発だけでなく、首都圏の大規模ターミナル駅の開発や、秋田や新潟といった地方中核駅を中心としたまちづくりなどを進める考えを表明した。
一方、新駅の暫定開業やURが主導する土地区画整理事業による基盤整備に合わせて、2024年度から本格化する新たな街づくりでは、オフィスビルや商業・文化施設、都市型集合住宅などからなる総延べ約100万㎡の大規模開発も見込まれている。
工事が進む開発現場(写真は2015年11月現在) |