東京都が6月から予定価格の事後公表、JV結成義務撤廃、1者入札中止、低入札価格調査制度の適用範囲の拡大を柱とした入札契約制度改革をスタートさせる。ベースは、昨年12月下旬の都政改革本部会議で特別顧問(外部有識者)から提案された今後の方向性をもとに、特別顧問と財務局が協働して3月末に公表した「入札契約制度改革の実施方針」だ。すでに東京都は、実施方針を元に4月下旬に業界団体向け説明会、5月中旬には業界団体知事ヒアリングも行った。制度改革は、財務局契約(建築3.5億円以上、土木2.5億円以上、設備4000万円以上)と、それ以外の局・所契約で異なる対応となっている。具体的には、予定価格の事後公表は全案件に適用するが、1者入札と最低制限価格制度は財務局案件以外は存続させる。適用が拡大される低入札価格調査制度については、実効性のあるものとするため、過去3年の公共工事の施工体制台帳で社会保険未加入が確認されたり、見積書に法定福利費が別枠計上されていない場合に失格となるなど、厳しい対応を鮮明にしている。さらに特別重点調査を廃止し、その基準額を数値的失格基準に改めるとともに、工事成績評定でも、過去3年間で65点未満があれば低入調査で失格となったり、施工中に社保未加入が発覚した場合には指名停止になる。