政府は、官公需法に基づく「2017年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」を7月末に閣議決定した。国や独立行政法人などの、中小企業・小規模事業者に発注する契約目標率を定めることで、中小企業・小規模事業者の受注機会増大を図るもの。政府全体の官公需法に基づく「工事」の総予算額は、2016年度実績額と比較して3703億円減少の3兆25億円。このうち中小企業・小規模事業者向け契約目標額は57.4%の1兆7242億円となった。「工事」と「物件」、「役務」を合わせた中小・小規模向け全体契約目標額は55.1%と、率そのものは高水準だが、実際の仕事量に直結する予算額は低調が続いている。
都道府県や市町村など地方自治体は、例えば役務や工事などで地域要件や地元企業への優先発注ができる。これに対し、政府が毎年度閣議決定している、官公需法に基づく中小・小規模事業者向け契約目標とは、国などの発注機関が地元企業など中小企業に配慮した発注を可能にする根拠の法律と中小企業政策。
今回閣議決定した基本方針のなかで、「中小建設業者に対する配慮」として▽必要な工期を確保するため、国庫債務負担行為の活用や早期発注などで施工時期の平準化を図る、▽優良な工事成績業者の上位等級競争参加、▽共同受注の適切活用、▽地域業者活用と極力分離・分割発注による受注機会増大――を盛り込んだ。
「工事」で国などの契約目標額の半分以上を占める国土交通省についても、今年度官公需予算総額で2247億円、契約目標額で1351億円それぞれ前年度実績額よりも減少している。