期待される東京区間(大泉JCT〜東名JCT)開通
東京外かく環状道路(外環道)の三郷南IC~高谷JCTが6月2日に開通する。「外環千葉県区間」が、昭和44(1969)年の都市計画決定から約50年、半世紀を経て実現する。都心から放射状に伸びる放射道路をつなぐ外環道は、今後、関越道大泉JCT~東名高速東名JCT約16.2km の、大深度地下での大断面シールド+地中拡幅という、日本はもとより世界でも屈指の高難度施工工事による開通を待つことになる。
外環道は2日の千葉県区間開通によって全体の約6割が完成。今回の開通によって、環状道路の特徴である放射道路との接続は、東関東道、常磐道、東北道、関越道の4つの放射道路と接続し、千葉の湾岸エリアから埼玉、栃木、群馬などの各県へ、都心を通ることなくアクセスすることが可能になった。
千葉県区間の地元では、2日の開通に先駆けてプレイベントも開かれた。5月12日には、松戸市や地元経済界などは、「東京外かん松戸インターチェンジ開通プレイベント」と名付けて、国土交通省関東地方整備局と東日本高速道路(株)(NEXCO東日本)の協力も得ながら、開通前の松戸IC付近道路を一般開放、地元住民らが、地下道路部分の全長3km にわたって開かれたさまざまなイベントに参加した。
また、関東地整首都国道事務所とNEXCO東日本千葉工事事務所が、松戸市らのプレイベントに連動して外環道建設に携わったさまざまな関係者を取り上げた写真展「俺の外環」を開いたほか、トークイベントやナイトツアーも催された。
シールド工事が進む外環道の東名口 |
外環道
外環道は、首都圏の道路交通骨格の3環状9放射ネットワークの一つで、都心から約15kmの圏域を環状に連絡する延長約85km の道路。2日の三郷南IC~高谷JCTが開通したことで、東関東道から関越道まで4放射道路をつなぐ環状道路が開通。関越道大泉JCTから東名高速東名JCTまでの区間についても、2009年5月に整備計画が策定、事業化された。大泉JCT~東名JCT間は住民への影響を極力避けるため、大深度地下での工事となっている。また、東名高速から湾岸道路までの約20kmは予定路線として位置づけられている。
3環状9放射ネットワーク構想
1963年に計画。都心から放射状に伸びる9放射道路とは、湾岸道路、第3京浜、東名高速、中央道、関越道、東北道、常磐道、東関東道、館山道――の9道路。9放射道路をつなぐのは、首都高中央環状線、外環道、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)――の3環状道路。
このうち整備が遅れていた3環状道路が整備されれば、都心を通過するだけの交通を迂回させ都心渋滞解消や、物流の生産性向上といった直接・間接的効果が期待されている。