国土交通省と総務省は、台風15号による強風で屋根瓦が飛ばされるなどの被害を受けた「一部損壊」住宅の補修を支援する。また政府は新たに、災害救助法で「一部損壊」を支援する規定を設ける方針を決めた。これまで災害の建物被害の状況度合いを示す、「全壊」、「大規模半壊」、「半壊」、「一部損壊」のなかで、「一部損壊」に対する国の恒久的支援制度はなかった。国交省らによる防災・安全交付金を使った特例支援と、政府が恒久的支援を決めた、「一部損壊」は、損害割合が10%未満は交付金による特例支援、10%以上20%未満が新たに災害救助法で支援することになる。
国交省と総務省は9月23日付で、千葉県に対し、災害救助法の応急処理の対象となる「半壊」に該当しない、「一部損壊」と認定された住宅でも、耐震性向上などにつながる補修については、防災・安全交付金の効果促進事業対象として支援することを通知した。また交付金事業の地方負担額の8割は特別交付税として措置する。6月の山形県沖地震での被災住宅の瓦屋根補修支援と同様の対応。
一方、内閣府は被災者の生活再建・住宅再建へ向けた重要な基礎資料となる「罹災証明書」の前提である、被害認定調査について9月20日付で自治体に対し弾力的運用を求める事務連絡を通知していた。台風だけでなく降雨被害も加味し、屋根や天井などの損傷面積率も柔軟に判断して評価することを求めるとともに、被害程度のイメージも写真で提示した。
弾力的運用によっても、「一部損壊」認定にとどまる住宅には国交省らが支援する、各種制度を活用した切れ目のない支援を行うことを国が打ち出した形だ。
支援制度は、「全壊・半壊で解体」と「大規模半壊」の補修には被災者生活再建支援金が、「大規模半壊」と「半壊」の応急処理には災害救助法に基づく支援が整備される。今回、「一部損壊」に対しては防災・安全交付金と災害救助法できめ細かな支援をすることになった。
強風による瓦屋根被害などに対して、各都県建設業協会は国交省の要請を受け物資搬入や補修作業などの支援を行っていた。
写真提供:国土交通省関東地方整備局 |