東京都は、都市計画区域マスタープラン(都市計画区域の整備、開発及び保全の方針)の改定原案をまとめた。マスタープランは、2040年代に向けて東京都が目指すべき都市の姿を実現させるための大きな道筋となるもの。マスタープラン原案は7月15日を期限に、一般意見募集(パブリックコメント)も行われた。マスタープランでは、都心部の住宅政策や水害対策など、2017年にまとめた「都市づくりのグランドデザイン」策定後の社会環境の変化とそれに伴う課題に対応するため、必要となる都市機能の誘導の方向性を示している。
東京の都市づくりは、「都市づくりのグランドデザイン」や2019年の「『未来の東京』戦略ビジョン」で示された都市像に基づき、活力とゆとりある高度成熟都市の実現を目標に掲げている。
こうした流れを受け、都市計画法に基づき、都市計画の基本的方針(▷都市再開発の方針▷防災街区整備方針▷住宅市街地の開発整備の方針)を定め、長期的視点で都市の将来像を明確にして道筋を示すのが、都市計画区域マスタープランだ。
災害リスクと環境問題に立ち向かう都市の構築といった分野横断的な8つの戦略を立てて、土地利用や都市施設、市街地開発など主要な都市計画の決定方針をまとめている。また、多摩部19都市計画区域及び島しょ部6都市都市計画区域マスタープランを、区部と同様に一体で策定し都市の一体性を確保。都が定めるマスタープランに合わせ、区市町村も地域に密着した都市計画の方針を策定する。
8月に公聴会を開き、10月には都市計画案を区市町村に意見照会、12月に公告・縦覧、2021年2月の都市計画審議会へ付議する予定だ。
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※「未来の東京」戦略ビジョンの方向性を踏まえ長期戦略を策定