2月に開催した「総合評価落札方式における賃上げを実施する企業に対する加点措置に係る運用等に関する説明会」
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建設産業界で働き方改革と担い手確保・育成、処遇改善、生産性向上をこれまで以上に後押しする4つの取り組みが4月から本格的に始動する。4つとは、▷新労務単価、▷積算改定、▷低入札調査基準見直し、▷賃上げ企業の総合評価加点――の取り組みだ。4つの取り組みがそれぞれうまく連動すると、ダンピング(過度な安値競争)抑止、処遇改善、企業の収益改善につながり成長へ向けた好循環が加速することになる。
3月から国土交通省の直轄工事で適用が始まった「公共工事設計労務単価」は、全国の全職種平均(単純平均値) は2021年3月比で2.5%の伸び率で、10年連続の上昇となった。
また、国交省が改定した積算基準は、工事・業務含め16項目に及んだ。このうち本社経費の実態を反映し、一般管理費等率とICTの小規模工事向け対応は、中小建設企業にとって追い風となる。例えば、直轄の河川工事費1億円の工事で一般管理費は約200万円超程度増加する。さらに小規模現場向けICT要領を策定したことで、小規模工事発注件数が多く、今後適用が期待される東京都など自治体工事での積算基準採用が望まれる。
一方、これまで中小建設企業がダンピング対応策として要望を重ねながら、国交省など行政が引き上げに難色を示してきた、「低入札価格調査基準算定式」のうち「一般管理費×0.55」も「一般管理費×0.68」に引き上げられた。引き上げによって低入基準が引き上げられることになる。
土木工事の積算は、工事原価と一般管理費等の合計額が工事価格。一般管理費等とは、従業員の給与手当など会社の本支店で必要となる経費。この部分がアップすれば、予定価格そのものがアップし、企業にとっては従業員全体の処遇改善・賃上げの原資が増えることになる。
出典:令和4年度国土交通省土木工事・業務の積算基準等の改定 |
出典:令和4年3月から適用する公共工事設計労務単価について 国土交通省 |
出典:建設通信新聞 |
出典:令和4年度国土交通省土木工事・業務の積算基準等の改定
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