経済産業省は、12日間で10の国際会議を、対面、オンライン、ハイブリッド(対面+オンライン)の3方式で集中して開催することで、2050年カーボンニュートラル(炭素中立)へ向けた取り組みを世界に発信することを目的とした「東京GX(グリーントランスフォーメーション)ウイーク」を実施し、10月7日に閉幕した。
初日の9月26日には、「第2回アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合」、「第4回カーボンリサイクル産学官国際会議」、「第5回水素閣僚会議」――の3つの会合が開かれた。アジアなど新興国の経済成長とカーボンニュートラルの同時実現をめざす成長パートナーシップ閣僚会合では、アジア各国で成長と脱炭素を両立するプロジェクト12件の覚書締結式を行った。
また、最終日には「第1回国際GX会合」が開かれ、日本で浸透しつつあるGXを世界へ向け発信した。会合のテーマは、▷グリーンな市場創出▷グリーンな製品・サービスを推進するための評価・基準▷グリーンな社会を構築するための国際協力――の3つ。このうちグリーンな製品・サービスを推進するための評価・基準では、これまでのCO2計測の考え方(Scope1~3)や企業の開示ルール(TCFD)に関心が集まっていることに対し、社会全体のCO2削減への貢献も重要な視点であるとして、「削減貢献度」という考え方を提起し、今後議論をしていくことを決めた。すでに削減貢献度についてはScope4という概念で議論が始まっており、GX会合の事務局を務める経済産業省は「国としても後押ししていく」としている。
東京GXウイーク初日に開かれた「第2回アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合」のなかで、12件の脱炭素プロジェクト覚書締結式が行われた。また、同会合でアジア経済でネットゼロを実現するためのトランジション・ファイナンス(移行金融)へ向けた、アジア・トランジション・ファイナンス(ATF)スタディグループによる「ATF活動レポート」と「ATFガイドライン」の2つのレポートも紹介された |