厚生労働省は、一人親方など個人事業者の休業4日以上の業務上災害を、労働基準監督署に報告することを義務付ける、新たな災害把握制度を創設する方向だ。これまで一人親方の休業4日以上災害を報告する枠組みはなかった。厚労省は「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」(座長・土橋律東大大学院教授)を設置、10月2日の最終会合で報告書案を固めた。
新たな枠組みを創設する背景には、「安衛法第22条は労働者と同じ場所で働く労働者でない者も保護する趣旨」とした最高裁判決を踏まえ、事業者は同じ作業所にいる自社の労働者だけでなく、これまで保護対象ではなかった一人親方などにも保護措置を行うという基本方針がある。
その一環として、休業4日以上の業務上災害の報告を義務化する。ただ、最終会合では建設業界のメンバーから「特定注文者らにとって過度な負担とならないようにすべき」など、枠組みの修正・追記を求める声が相次いだ。