10月3日に開かれた「中央建設業審議会(以下、中建審)」の総会で、中建審と社会資本整備審議会の下に設置した「基本問題小委員会中間とりまとめ」が報告された。中間とりまとめは、担い手確保の取り組みを加速し、持続可能な建設業を目指すことを目的にした提言。具体的には、▷請負契約の透明化による適切なリスク分担、▷適切な労務費等の確保や賃金行き渡りの担保、▷魅力ある就労環境を実現する働き方改革と生産性向上――が3本柱。さらに今後、①重層下請構造の実態を踏まえた建設業許可の合理化、②繁閑に応じた労働力の需給調整や多能工の評価のあり方、③建設業の許可を要しない小規模工事の適切管理――について検討することも盛り込んだ。
基本問題小委員会の提言を受け今後、不当に低い請負代金での契約締結について、国土交通大臣や都道府県知事の勧告対象に、公共発注者だけでなく民間事業者も含めることを目的に建設業法改正へ向けた取り組みを進める。業法改正案は2024年通常国会への提出を目指す。また、賃金行き渡りの担保として、標準労務費を勧告する制度導入や受注者における不当に低い請負代金の禁止を、さらに注文者による著しく短い工期での契約締結の禁止(建設業法第19条の5)についても、「受注者による著しく短い工期での契約締結の禁止」を追加する。中建審総会では、時間外労働の上限規制適用を見据え、「工期に関する基準」見直しを求める声が複数上がっていた。
図の出典:基本問題小委員会中間とりまとめについて 国土交通省 |