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全国建設業協会(今井雅則会長)は9月、47都道府県建設業協会に加盟する企業の回答をもとにした、「2025年度発注関係事務の運用状況等に関するアンケート報告書」を公表。1891社が回答した。
受注環境については、回答のほぼ半数(48.1%)が「悪い」「悪くなってきた」と回答。このうち東京を含む関東の「悪い」「悪くなってきた」回答率は42.9%だった。前年度並みを維持し続けている公共事業予算、一定規模の請負金額水準を維持する主要前払保証会社の請負額統計、堅調な増加を続ける名目建設投資額など、目先の環境は悪くない。事実、公共事業関係費は当初予算+強靭化関連の合算で2019年度から8兆円台の高水準を維持している。また名目建設投資額も2023年度71兆4700億円と2019年度比で9兆円余増加している。
それでもなお半数近い企業が「受注環境は悪化」と回答したのは、「発注量の減少」を実感しつつあるからだ。実際、受注悪化要因として、「発注量の減少(公共)」との回答が87.3%と9割近くに上った。公共工事の発注件数の減少は国、自治体とも明らかだ。国直轄8地方整備局発注の一般競争案件は2023年度5817件、2019年度と比較すると1677件の減。また同様比較で、都道府県+市区町村+地方公社の年間発注件数(前払3保証合算)は、2023年度2万8849件減少の22万1804件にとどまっている。
さらに物価変動を加味した実質建設投資額(2015年度基準)は2023年度57兆8521億円と2019年度比で1735億円ほどしか増加していない。名目で9兆円超増加とは大きな差がある。受注競争の激化と収益確保へ向け厳しい経営環境に直面する地元中小元請の本音を浮き彫りにしている。
図の出典:令和7年度発注関係事務の運用状況等に関するアンケート報告書 全国建設業協会 |




