東京都は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会ほか関係団体などと連携して、大会まで500日を迎えた3月、「Tokyo2020 500Days to Go」と題し、さまざまなイベントを開始した。

2020大会500日前を記念した特別デザインでラッピングを施したキャラバンバス「500Days号」で、都内と東日本大震災の被災3県である福島、宮城、岩手を巡回し交流イベントを行う「東京2020キャラバン」。

バス車内は、新競技や実施競技の詳細を説明する「スポーツピクトグラム展示」や、「東京2020大会のクイズに挑戦」、「モニター映像」などで装飾展示。3月12日にお披露目と出発式を行った後、福島から岩手まで北上、30日には東京駅丸の内中央広場でもイベントを開いた。

また3月21日から24日の4日間、2020大会や東京の魅力を伝えるプロジェクションマッピングや、大会応援メッセージを投影する、「Tokyo Vision 500 Days to Go Night」が開かれた。東京ビッグサイト会議棟前とパナソニックセンター東京（いずれも江東区有明）で投影上映されたほか、ミニトークやミニライブなども開かれた。

このほか3月30日には、東京駅丸の内中央広場で、「東京2020オリンピック・パラリンピックフラッグツアーファイナルイベント Tokyo2020 500 Days to Go」も行われた。スペシャルアンバサダーとアスリートによるトークショーや競技のデモンストレーション、アスリートとスペシャルアンバサダーとの競技対決のほか、一般来場者が大会競技である、BMX、スケートボード、ボッチャを体験した。

携帯電話やパソコン、デジタルカメラといった小型家電を「金」「銀」「銅」のメダルに生まれ変わらせる取り組み、「都市鉱山からつくる　みんなのメダルプロジェクト」は、多くの参加を得て3月末に受け付けを終えた。

事業は、小型家電から原料を抽出し、オリンピック・パラリンピックのメダル約5000個を製作する。リサイクル金属を取り出す使用済み小型家電を「都市鉱山」になぞらえている。国民参加でメダル製作を行うのは、オリンピック・パラリンピック史上、東京2020大会が初めて。これまでにもメダルの一部にリサイクル金属が含まれている例はあったが、リサイクル100%を目指しているのが大きな特徴だ。

2018年10月までの回収分で、メダル製作に必要な金属の確保状況は「金」が93.7%、「銀」で85.4%、「銅」100%だった。参加自治体数も、事業を開始した2017年4月の624自治体から、2018年11月には1594自治体と1年半で2倍以上に増えた。

国産木材で選手村ビレッジを建築し、大会後にその木材を全国の公共施設で再利用する「日本の木材活用リレー　みんなで作る選手村ビレッジプラザ」プロジェクト。全国の61自治体・41事業協力者が参加している。

選手村は大会の代表的施設であり、選手団の入村式の舞台となるなど、メディアを通じて多くの人の目に触れる。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、選手村ビレッジに全国各地の木材を使うことで、多様性と調和を表現し、さらに国産木材活用が、林業再生や持続可能な森林保全に寄与するとしている。大会後に解体された木材は、提供した自治体に返却され、自治体はレガシーとして公共施設に再活用される予定だ。

「より良い未来へ、ともに進もう」をコンセプトに東京大会は、持続可能な社会実現へ、課題解決のモデルを内外に示しているほか、国連の「持続可能な開発目標（SDGs）」への貢献も打ち出している。メダルプロジェクトや、木材活用リレーも持続可能性への取り組みの一環だ。

大会組織委員会は、東京都・国と連携して、東京2020大会時に、大会輸送と経済活動の両立を図るための交通混雑緩和に取り組む。予想される車両・鉄道の交通需要の増加に対応する「交通マネジメント」の試行を、オリンピック・パラリンピック開催期間に相当する1年前の7月、8月に行う。

夏の試行期間に、東京都は時差出勤やテレワークなど多様な取り組みを柱にした「スムーズビズ」に、国は関係団体と連携して「テレワーク・デイズ2019」に取り組む予定。企業に対しても、大会期間中の夏季休暇・有給休暇取得奨励、時差出勤・テレワークの実施、サテライトオフィスの活用やボランティア休暇制度導入など働き方での対応、同業種や近接エリアでの共同物流実施などを促していく。

すでに東京都は、大会時に想定される交通混雑を回避し、企業活動を維持するための方策「2020アクションプラン」の都庁版を策定、各企業に対しても都庁版を参考にして策定することを要請している。