隣接する多摩3会場
飛田給駅 |
自治体も盛り上げ 地域全体の振興めざす
多摩地域で予定されている「東京2020大会」3会場、「武蔵野の森総合スポーツプラザ」と「東京スタジアム(味の素スタジアム)」、「武蔵野の森公園」は、それぞれが隣接しているのが大きな特徴。特に「武蔵野の森総合スポーツプラザ」と「東京スタジアム」は道路を挟んで隣り合っているため、五輪競技として予定されている「近代五種」競技も5競技を2施設で分けて行うことができる。
多摩地域の一大スポーツ拠点として期待が集まるこのエリア。東京2020大会とラグビーワールドカップ2019という、世界最大級のスポーツイベントが、多摩地域で2年連続して開催されることを踏まえ、地元である調布市は、自治体としての取り組み方針を2016年7月に定めた。東京都や近隣市などと連携し、まちづくりへの効果とレガシー創出によって、多摩地域全体の振興につなげる基本的姿勢だ。
ラグビーW杯や東京五輪会場の最寄り駅である京王線飛田給駅周辺の拡幅・改良、バリアフリー化など、京王電鉄など官民連携したまちづくりを進めている。
大きな分かれ目。右か左どっち?
多摩の一大スポーツ拠点
オリンピックで「バドミントン」と「近代五種」のフェンシング、パラリンピックで「車いすバスケットボール」競技が予定されているのが、総面積3万㎡以上、最大約1万人を収容できる多摩エリアの一大スポーツ拠点、「武蔵野の森総合スポーツプラザ」だ。国際大会などスポーツイベントだけでなく、コンサートを始めとする様々なイベントも開催できる多目的施設。敷地内にはメインアリーナのほか、プールやトレーニングジム、フィットネススタジオなどが併設されているサブアリーナ(武道場)があり、隣接して西競技場(AGFフィールド)、道路を挟んで2020大会のサッカーや近代五種、7人制ラグビーの会場となる、東京スタジアム(味の素スタジアム)がある。
右はスタジアム、左は武蔵野の森総合スポーツプラザ、直前まで同じ経路だが、ここで行き先が分かれるくらいに施設は近接している。 |
武蔵野の森総合スポーツプラザ
【オリンピック】実施競技:バドミントン、近代五種〈フェンシングランキングラウンド(エペ)〉
【パラリンピック】実施競技:車いすバスケットボール
■施設紹介
東京都が整備する五輪施設整備の第一号。2017年11月25日に開業した。多摩地域のスポーツ拠点として、すでに様々なイベントや大規模なスポーツ大会も開催されている。約4900㎡のメインアリーナのほか、サブアリーナ、プール、トレーニングルームなども併設されている。 施設はメインアリーナ棟とサブアリーナ棟に分かれ、サブアリーナ棟にあるプールとトレーニングルームは、予約がなくても利用できる気軽さから地域住民を中心に活用されている。 |
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■アクセス
1.京王線「飛田給駅」下車徒歩約5分 2.西武多摩川線「多磨駅」下車徒歩約20分 3.京王バス調33「調布駅北口」から乗車、「味の素スタジアム入口」下車徒歩約1分 4.京王バス調33、飛01、飛02「多磨駅」から乗車、「味の素スタジアム南」下車徒歩約1分 *「武蔵野の森総合スポーツプラザ」は新宿から16㎞。新宿、渋谷、立川から約30分、JR山手線内からも1時間圏内という立地。 |
メインアリーナもすでにさまざまなイベントに利用されている | 手前がサブアリーナ棟、奥はメインアリーナ棟 |
東京スタジアム(味の素スタジアム)
【オリンピック】実施競技:サッカー、近代五種〈水泳、フェンシング ボーナスラウンド(エペ)、馬術、レーザーラン〉、ラグビー(7人制)
■施設紹介
競技場は、サッカーを始め多彩なイベントに利用されている多目的スタジアム。2013年に開催された国民体育大会・全国障害者スポーツ大会「スポーツ祭東京2013」では、開会式・閉会式等に使用された。観客席は約5万席ある大規模スタジアム。 スタジアムと武蔵野の森総合スポーツプラザは隣接しており、立体歩行者通路でつながっている。
■アクセス(大会時の現時点想定。通常時アクセスは、武蔵野
の森総合スポーツプラザ記載を参照)
1.京王線「飛田給駅」「西調布駅」下車徒歩約5分 2.小田急小田原線「狛江駅」下車シャトルバス 3.JR中央線、西武多摩川線「武蔵境駅」下車シャトルバス 4.西武多摩川線「多磨駅」下車徒歩約20分 5.京王線「調布駅」下車シャトルバス |
*近代五種=一人の選手が一日に全く異質の5種類の競技に挑戦、限界に挑む競技。体力的にも精神的にも非常に過酷な複合スポーツ。
種目は
①フェンシングランキングラウンド(エペ)
会場・武蔵野の森総合スポーツプラザ
②水泳(200m自由形)会場・東京スタジアム
③フェンシング ボーナスラウンド(エペ)
会場・東京スタジアム
④馬術(障害飛越)会場・東京スタジアム
⑤レーザーラン(射撃5的+ランニング800m4周)
近代オリンピックの創立者、クーベルタン男爵が古代ギリシャで行われていた古代五種(レスリング、円盤投げ、やり投げ、走り幅跳び、短距離走)になぞらえ、競技化を提案したのが始まりと言われている。(東京都オリンピック・パラリンピック準備局ホームページから)
武蔵野の森公園
【オリンピック】実施競技:自転車競技(ロード)〈ロードレース(スタート)〉
■施設紹介
武蔵野の森公園は、大会時には自転車競技(ロードレース)のスタート地点として仮設施設が整備される。公園の周囲には武蔵野の森が広がり、森の緑を背景として美しい景観が楽しめる。また、各都道府県の石が置かれている「ふるさとの丘」からは、公園に隣接する調布飛行場を一望でき、澄んだ空気の日には新宿副都心のビルも望める。公園北地区からスタジアム通りを1.5㎞飛田給駅方面に下ると、東京スタジアムと武蔵野の森総合スポーツプラザに到着する。
■アクセス(通常時)
〈北地区〉 1.西武多摩川線「多磨駅」下車徒歩約5分 2.小田急バス(鷹52)「三鷹駅」から乗車、「野水一丁目」下車徒歩約2分 |
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東京2020大会41会場の多くは、東京都心と臨海部に集中している。施設集中の例外が多摩地区の3会場と、都心から多摩地区の中間地点にある世田谷区の馬事公苑だ。
【オリンピック】実施競技:馬術(馬場馬術、総合馬術〈クロスカントリー除く〉、障害馬術)
■施設紹介
この施設では、1964年東京五輪大会でも馬術競技が行われた。馬事公苑は、馬事に関する知識向上などを目的に、1940年に開苑。現在は日本中央競馬会が運営する、馬事普及の拠点。 東京ドーム4個分に相当する18haを超える敷地面積に、さまざまな馬関連施設のほか、1年を通じて四季折々の花々が咲く、多くの人たちに親しまれる憩いの空間になっている。 現在は閉鎖されており、改修工事の真っ最中(写真撮影は8月31日)。
■アクセス
1.東急田園都市線「桜新町駅」下車徒歩約15分 2.小田急線「経堂駅」下車徒歩約20分 |