国交省が来年度から適用する積算基準改定は、中小建設企業が大きな課題として挙げる「時間外労働の上限規制適用」、「週休2日促進」などの働き方改革と、担い手確保・育成に必要不可欠な生産性向上を進めようとする自治体にも波及するもの。
例えばこれまで東京建設業協会などをはじめとする都内業界団体が参加する、東京都建設局による「ICT活用工事等推進連絡会」でも小規模工事では設計変更金額と実際の金額が合わないとの意見が相次いだ。自治体のICT小規模工事で使われる規模やGNSS(衛星測位システム)の受信環境が悪い地域に対応した基準を国交省が策定することにより、自治体はその基準を使えることで、中小企業もICT工事への取り組みに魅力を感じることになる。
一方、東京都は2月18日に開いた「東京都技術会議」で2021年度の取り組み成果を報告した。まちづくり・インフラ分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)では、西新宿地区の5G(第五世代移動通信システム)を活用したまちづくりが進んでいる。また、脱炭素・循環型社会の実現へ向けて、2030年度までに全ての都有施設に太陽光発電施設の設置をめざす。
また、工事関係書類のペーパーレス化では情報共有システムを改修し、「はんこレス」対象書類拡大を進めている。さらに2022年度からICT施工活用拡大へ全庁あげて取り組むほか、ウェアラブルカメラを使った遠隔臨場も拡大を図るとしている。
小規模土工に対応したICT実施要領等の策定
2022年度国土交通省 土木工事・業務の積算基準等の改定 |
1.働き方改革に取り組める環境整備 |
一般管理費率見直し、見積り参考資料算定式も改定
一般管理費等率の改定 |
低入札価格調査基準の計算式の改定 |
|
出典:令和4年度国土交通省土木工事・業務の積算基準等の改定 参考資料 |
出典:低入札価格調査基準の計算式の改定について 国土交通省大臣官房技術調査課プレスリリース 令和4年2月24日 |
3次元起工測量及び3次元設計データ作成費用見積り参考資料の改定 |
○ICT施工に伴う3次元起工測量、3次元設計データ作成の積算について、原則として見積徴収による積上げとしているが、見積の妥当性を判断するにあたり参考となる見積り参考資料を令和2年度に作成 ○施工現場の実態にあわせ、見積り参考資料の算定式を改定 |
出典:令和4年度国土交通省土木工事・業務の積算基準等の改定 参考資料 |
まちづくり・インフラ分野におけるDXを推進する東京都の取組 |
[目的] 【事務局】建設局、水道局 |
出典:第110回東京都技術会議資料 令和4年2月18日
出典:第110回東京都技術会議資料 令和4年2月18日
|
脱炭素・循環型社会の実現に資するまちづくり・インフラ分野における東京都の取組 |
[目的] 【事務局】下水道局、港湾局 |
出典:「ゼロエミッション東京戦略 2020 Update & Report」
出典:第110回東京都技術会議資料 令和4年2月18日
|