三菱総合研究所資料から作成 |
出典:経済産業省HP |
「GX実現に向けた基本方針」はこれからの10年間のロードマップ(行程表)です。基本方針を実現するためには、今後10年間で150兆円を超える官民のGX投資が必要とされています。
基本方針で示された今後の対応には、「住宅・建築物」と「インフラ」が項目として盛り込まれています。住宅・建築物では省エネ性能の高い物件の新築や省エネ改修の支援を強化し、インフラ分野では再エネ導入促進やエネルギー消費量削減、脱炭素につながる都市・地域づくりを進めるほか、建設施工の脱炭素化も促すことが掲げられています。そのため脱炭素は建設業にとって負荷がかかる側面もありつつ、ビジネスチャンスの萌芽にもなります。
一方、「GX推進法」は、基本方針実現のために必要な法律としての役割を担うことになります。▷GX推進戦略の策定・実行、▷GX経済移行債の発行、▷成長志向型カーボンプライシングの導入、▷GX推進機構の成立、▷進捗評価と必要な見直し――が大きな柱です。このうちカーボンプライシング(CP、炭素排出に価格付けする仕組み)については、GXに自発的に取り組む企業群が官・学と連携して様々な取り組みを行う「GXリーグ」での排出量取引制度が2023年度から試行し、2026年度に本格稼働する予定です。
*1月末時点でGXリーグに参加する建設業は上場企業を中心に39社、延べ700社近くに上っている。
CFP レポートと指針を公表へ
製品単位の温室効果ガス(GHG)排出量を見える化する「カーボンフットプリント(CFP)」の算定と検証のあり方をまとめた「カーボンフットプリント レポート」と「ガイドライン」が3月末までに経済産業省と環境省で策定・公表されます。
「SCOPE1、2、3」は組織単位のGHG排出量でサプライチェーン全体を対象に算定します。このうち間接排出のScope3算定には、CFP算出が必要不可欠という指摘が企業から根強くありました。また、レポートでは中小企業の対応の難しさを指摘したうえで、中小企業もCFPを算定する仕組みと支援が必要としています。
出典:第4回サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルに向けたカーボンフットプリントの算定・検証等に関する検討会資料 1月31日 |
【今後の道行き】住宅・建築物 |
出典:GX実現に向けた基本方針 参考資料 |
【今後の道行き】インフラ分野 |
出典:GX実現に向けた基本方針 参考資料 |