施工時におけるCO2削減
省エネ機械の導入
昨今、各メーカーでは省エネをテーマとした重機の開発に力を入れています。
省エネ機械を導入することで以下のようなメリットもあります。
- ハイブリット車は燃料が3割でおさまる
- 電気式のパワーシャベルも燃料2〜3割減
- 電気式の場合は騒音も少ない
国土交通省では、「建設施工と建設機械」のページの中で、「CO2排出低減建設機械一覧」を紹介しています。
建設機械の省燃費運転
建設機械でも、一般車と同様に省燃費運転のコツがあります。
ここでは、機種別のコツをお知らせします。
ダンプトラック・大型トラック編
- ムダなアイドリングはやめる
- 冬季暖機運転は10分程度で充分
- 1時間のアイドリングで約1.3l、エアコン使用で更に10%消費
- エンジン始動燃料=アイドリング5秒相当、10秒以上のエンジン停止は燃料節約に貢献
- 急発進、急加速を避ける
- シフトアップ時のエンジン回転数の低減
- アクセルのベタ踏みはしない(大型は7割、中型は5割)
- 早めのシフトアップ、遅めのシフトダウン
- 車が動き出したらすぐ3速へ、巡航時はトップギアで回転数の低減を
- グリーンゾーン(1200〜1500回転)の範囲内でシフトアップ
- 一定の速度で走る(波状運転はやめる)
- 速度が10km/h前後変化する波状運転はやめる
- エンジン回転はグリーンゾーン内で
- 出来るだけ上のギアを使用
- 下り坂でのエンジンブレーキと排気ブレーキの併用
- エンジンブレーキや排気ブレーキを使用すると燃料は消費しない
- 経済速度での走行
- 高速道路では80km/h、一般道路では50km/h走行で
- 速度を10km/hアップすると燃費が10%悪くなる
- 減速は早めに行う
- タイヤの空気圧の適正化
油圧ショベル編
- 一度にではなく上から掘削する(高位置掘削を行う)
- 切羽の上部を先に掘削し、次に下部を掘削する高位置掘削は、法尻掘削と比べて約8%の燃費率向上につながる
- 掘削積込み作業時にエンジン回転数を10%下げる
- エンジン回転を下げると作業量も下がるが、燃費はそれ以上に下がる
- 不必要な高エンジン回転を避ける
- 強い掘削力を必要とする時は、ブームとアームの交差角を90度より大きめにして掘削する
- 最大掘削力は作業機とシリンダの角度が90度発揮される
- 土の軟硬に合わせて掘削角度を変える
- 軟らかい土は掘削角を大きくして厚く削り、短い距離で
- 硬い土は掘削角を小さくして掘削抵抗を減らす
- バケットの爪は常にシャープに保つ
- ムダな掘削をしない
- 掘削する土砂の負荷が大き過ぎる場合、作業機は動かずに油圧はリリーフする
- 旋回角度を小さくする
- ダンプトラックへの積込みの際、旋回角度を小さくして時間当たりの作業量を増加させる
- 走行時にエンジン回転数を下げる
- 必要最小限のアイドリング
- アイドリング中も油圧ポンプはオイル循環し燃料を消費する
ホイールクレーン編
- エンジン回転を抑えたアウトリガ操作
- アウトリガ張出・格納作業では、必要以上にエンジン回転を上げない。エンジン回転を上げても速度はほとんど変わらない。
- エンジン回転を抑えたブームの操作
- ブーム起伏作業(油圧回路)では、必要以上にエンジン回転を上げない。ブームの伏せ作業では、エンジン回転を上げてもほとんど速度は変わらない
- ブーム伸縮作業(油圧回路)では、必要以上にエンジン回転を上げない。ブームの縮み作業では、エンジン回転を上げてもほとんど速度は変わらない
- エンジン回転を抑えたフックの操作
- フック昇降作業では、必要以上にエンジン回転を上げない。フックの高速巻上げが必要な場合は、できるだけ高速度段を用いてエンジン回転を上げない
- フックの巻下げ作業では、エンジン回転を上げても速度はほとんど変わらない
- 不要時はPTO(Power Take off)を切断する
- PTOをONにした状態ではクレーン用油圧ポンプが駆動され、その分の燃料が消費される
- 発進・加速時、アクセルペダルを踏み込みすぎないようにする
- アクセルペダルをべた踏みすると定速走行時の約3倍の燃料を消費する
- 車間距離をとって経済的な速度で定速運転をする
- 加速と減速を繰り返す波状運転では、速度を保つ定速運転に比べ、20〜30%以上燃料を多く消費する
- エンジンブレーキを利用した減速運転をする
- 赤信号の手前では早めにアクセルペダルを離し、エンジンブレーキを使用して惰行運転で減速する
- 不要なアイドリング運転を防止する
- 待機・休憩時にアイドリング運転をしない
- ラフテレーンクレーンは走行スタイルにしてPTOをOFFにしていてもステアリング用油圧ポンプなどが駆動され、燃料消費につながる
クローラクレーン編
- エンジン回転を抑えたブームの操作
- ブーム起伏作業(油圧回路)では、必要以上にエンジン回転を上げない。ブームの伏せ作業では、エンジン回転を上げてもほとんど速度は変わらない
- エンジン回転を抑えたフックの操作
- フック昇降作業では、必要以上にエンジン回転を上げない。フックの高速巻上げが必要な場合は、できるだけ高速度段を用いてエンジン回転を上げない
- フックの巻下げ作業では、エンジン回転を上げても速度はほとんど変わらない
- 降作業では、必要以上にエンジン回転を上げない
- 急操作・急加速をやめる
- クローラ走行時にはエンジン回転を上げないようにする
- 走行時は出来るだけ高速度段を用い、エンジン回転を上げない
- 不要なアイドリング運転を防止する
点検整備編
- エンジンの燃料消費率を悪化させないために
- エアエレメントの目詰まりは吸気抵抗が増えて燃費が悪化するのでこまめに清掃・交換する
- エンジンオイルの適正管理
- オイル不足や劣化したオイルはエンジン性能や耐久性に悪影響を与え、燃費が悪化するのでオイルとオイルエレメントは定期的に交換する
- クローラは適正に管理する
- トラックリンクの張りすぎは走行抵抗が増え、ゆるすぎは異常磨耗の原因となる
- ブレーキエアタンクの水抜き
- ブレーキエアタンクのある機械はエアタンク内に水が溜まらないように、作業終了後の水抜きを行う
電力の節約
高効率仮設電気機器等の使用の促進
- 白熱灯60Wに相当する蛍光灯12Wに変更した時のCO2削減効果
- 蛍光灯(12W)⇒50%減
- インバータ蛍光灯(12Wの8割程度で稼動)⇒60%減
照明の点滅管理
- 窓側照明を別回路に配線し昼間は消灯できるようにしたり、常時照明が必要でない所などは減設備とするなど、配線計画を提案する。
- 点滅を遠隔集中操作にする(点滅範囲の細分化)
- 点灯時間をタイマーで管理
- 自動点滅器により必要時のみ点灯させる
新型の高効率型エアコンを設置
- 高効率型は1/2の電力量
- 使用電力量(使用量)及び最大電力(基本料金)の低減になる
建物解体・改修工事におけるフロン含有断熱建材の適正処理
1970〜2000年代に建築された建物等には、二酸化炭素の数千から1万倍以上の強さで地球温暖化を引き起こすフロンを含む断熱建材が使われている可能性があります。都内建物の解体・改修工事に伴い排出されるフロン含有断熱建材からのフロン放出量は年間40tと推計され、その温室効果は二酸化炭素16万トンに相当します。今後、高度成長期に建てられた建物の更新に伴って増加すると予想されています。
これらの断熱建材を廃棄処分する時は、フロンを出来るだけ大気中に放出させない方法で行う必要があります。
東京都では、平成21年3月、「建材用断熱材フロンの分解処理に係る東京ルール宣言」を行い、サーマルリサイクルの可能な施設での焼却処分を推奨しています。
東京ルールに従って適切に焼却し分解処理することで、地球温暖化の緩和に貢献できます。
参考:東京ルール宣言
▲ページのトップへ
|