複雑な幕府の行政機構
江戸幕府の行政機構は、徳川氏の三河時代の支配制度を基礎にして、平時の組織が戦時の際にも役立つことを前提に、三代から四代将軍の時代にかけて整備されました。
行政を円滑にとり仕切るには、複雑な管理機構と多数の役人が必要で、その官職の種類は大老以下523種、これに職階の区別を加えれば1,000種以上にのぼっています。
地方官としては主要都市に奉行をおき、京都には禁裏および京都市中警備と対朝廷外交を担当する京都所司代をおき、直轄地には代官をおいて行政司法にあたらせ、関八州(関東地方)のように広い地域には関東郡代をおきました。
幕府の要職は、一つのポストに2人以上の同役が就くことを原則としました。これは、個人がポストを専任することによる独断専行を避けるために月番交替制の合議制としたためと、職につかない非役の者を少なくしようという配慮からでした。
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