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建設IT読本2014

HOME >> Ⅰ なぜ建設現場でITが必要か? >> 1. 建設業を取り巻く環境の変化

1. 建設業を取り巻く環境の変化

現在、政府・民間を含めた建設投資額(土木・建築)は、1992年度の84兆円をピークに年々減少しており、2010年度には、ピーク時の約50%まで減少した。11年度は震災復旧需要により増加に転じ、13年度も引き続き増加する見通しとなっている。(図1-1)。一方、建設業許可業者数は2012年度でピーク時(99年度)の約78%にあたる約47万社とそれほど減少していない。

図1-1 建設投資の推移
図1-1 建設投資の推移
出典:日本建設業連合会「建設業ハンドブック2013」

加えて、図1-2に示すように、建設業界の固有の課題として就労者の高齢化、就労者数の減少、低い労働生産性、環境問題への対応などを抱えている。また、昨今はCSR(企業の社会的責任)やコンプライアンスの強い要請、各種法制度改正等々、外部環境の変化は著しい。

図1-2 建設業を取り巻く環境変化と経営課題
図1-2 建設業を取り巻く環境変化と経営課題

そのため、建設業には生き残りを図るための経営の抜本的な見直しが求められており、受注力・営業力の向上、コスト競争力の強化、事業構造の改革、生産性の向上、管理業務の効率化、法制度改正への対応等々、具体的な取り組みが必要となっている。
一方、IT(情報通信技術のことでここではICTと同意語で使用する)は飛躍的に進化している。ブロードバンド(高速な通信ネットワーク)の基盤整備では世界のトップクラスとなっており、情報通信白書によると2012年末のインターネット利用者数は約9652万人、人口普及率では79.5%に達している。このため、社会のビジネス構造も変化している。日本百貨店協会のデータによると国内の百貨店の2013年の売上高は約6兆2千億円まで低下しているが、インターネットを利用したネット通販は売上高を増加させ、野村総合研究所のデータによると2012年度で約10兆2千億円まで成長しているとのことである。また、ホテルや飛行機の予約を消費者がインターネットから直接予約するようになり、旅行代理店は既存のビジネスの在り方が問われている。企業の業務においてもインターネットの技術を使って電子商取引を行うことが一般化しつつあり、企業間の業務プロセスの改革も可能となっている。
これらITは建設業の企業内システムにも広く適用され、各社の情報システムはレベルアップしている。原価管理や財務会計システムなどの基幹系業務はもとより、共同作業を支援するグループウェアや各種情報のデータベース化による情報の利活用、CAD(コンピュータによる製図)などが日常的に活用されるようになってきた。また、建設業特有の現場事務所との情報通信ネットワーク化も進み全社的なIT化が進展しつつある。
このような状況下、多岐な経営課題を抱えている建設業において、さらなるITの有効活用は重要なテーマである。特に建設生産性の向上を目指した工事現場でのIT活用はまだまだ未開の分野であるので、今、この分野でのIT活用に注力する必要がある。

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