2. 現場事務所の特徴
現場事務所が、他産業の事業所と異なる点としては以下のようなことが挙げられる。
(1)現場毎に環境が異なる
製造業等と異なり、建設業は現地・単品生産のため、現場毎に環境が異なっている。現場事務所の立地だけでなく、工事の契約形態(単独・JVなど)、従業員の人数、用途・構造・規模・工法、気候や地形、周辺住民等の地域特性等にも大きく影響を受ける。
(2)有期現場である
現場は工事期間という有期の利用を前提とした仮設仕様であるため、ICT設備も柔軟に変更や撤去が可能な簡易なものを利用する。また最近は1現場毎の職員数も減少傾向にあるため、通常の事務所のような設備投資はできない。
(3)市街地以外に現場事務所を開設する場合が多い
土木の場合、市街地以外のいわゆる僻地に現場事務所を開設する場合が多い。これらの場所では光回線やADSLなどの基本的なインフラがまだ整備されていない場合がある。また遠いという理由で、内勤部門の職員や外部業者の支援が受けにくい(外部業者の場合、僻地だと別料金がかかる場合がある)。
(4)事務所内の人の出入りが多い
現場事務所内には職員だけでなく、発注者や、協力業者の職員など、様々な人が出入りをする。また通常の事業所では職員以外の出入りは厳しく制限されている場合が多いが、現場事務所では工事の進捗状況により関係者が入れ替わっていくため、どうしても制限が緩くなりがちになる。
(5)環境面の問題
環境面では、埃が多く、電源も仮設電源を使用するため、情報機器の安定稼動が確保しにくい。図面や書類等は日々変更の連続であるため、原本や最新版の管理における負担が大きい。
この他にも建設業界ではJVという他産業ではあまり見られない契約形態もある。これらの環境を正しく認識した上で、それぞれの現場環境毎に最適なLAN構築を行っていく必要がある。
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