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2. 一般的ツールの有効活用

図2-1 標準的な作業所ネットワーク構成例
図2-1 標準的な作業所ネットワーク構成例

(1)作業所ネットワークの構築
メールやインターネットの普及により、作業所でも当たり前のようにLANを利用したネットワークが構築されるようになってきた。
多くの人は、プリンタ共有や会社のメールを見るためにしか使っていないようであるが、共有ファイルサーバを導入することで作業所内での情報共有が格段に進む。
各社員が個々に作成していた書類を共有すれば、作成書類の重複が減る上、データの転用もできるため、書類作成の手間が削減される。また、作業所内のデータが一元管理できるため、最新版の管理も楽になる。
共有ファイルサーバとしては、市販のLAN接続型ハードディスクを導入するのが安価で効果的である。
また、ネットワークに潜む危険性(ウイルス感染や情報漏えい)には十分注意し、セキュリティ対策の徹底や社員のセキュリティ意識の向上にも努める必要がある。

(2)インターネットの活用
インターネットを上手に利用すれば、調べものをする際に便利になる。
一例としては、天気や地図、時刻表といった情報サービスや、製品のカタログ、評価といったものまで机の上で調べることができる。また、スケジュールやファイルをインターネット上で共有できるサービスもある。
ただし、インターネット上の記事の信頼性については必ずしも保証されているものではないため、掲示板の書き込みや引用文の多いブログ等には注意を払う必要がある。また、インターネット上の記事や地図を印刷し、現場内や近隣に配布するといった行為は著作権侵害にあたるため注意が必要である。

(3)グループウェアの活用
グループウェアとは企業内での情報交換用ツールの総称で、社内メールやスケジュール管理、社内掲示板、文書ライブラリといったサービスが含まれる。
特にメールの利用に関しては、普及率も高く、社内の業務連絡や施主との打合せ等で非常に重要な役割を果たす部分ではあるが、メールマナーや文書力の不足によるトラブルが発生しやすいので注意が必要である。

(4)オフィスソフトの活用
オフィスソフトとは、ワープロ、表計算、データベース、プレゼンテーションといったオフィスでの仕事をサポートするためのソフトウェアパッケージを指す。
オフィスソフトと言えばMicrosoft Word(以下、Word)やMicrosoft Excel(以下、Excel)が主流であるが、ほぼ同等の機能を持つ無料ソフトや格安ソフトもいくつか存在しており、利用者も増えている。しかし、互換性は100%ではないため、作業所内で文書共有する場合は注意が必要となる。これはWordやExcelファイルのバージョンについても同様であり、レイアウトを壊さないためにも統一しておくべきである。
また、よく表計算ソフトで文書作成も何もかもやってしまおうとする人がいるが、機能を理解し、正しい使い方を覚えることも効率化のためには必要である。

(5)CADの利用
CADとはComputer Aided Designの略でコンピュータによる設計支援システムという意味である。
建築業界におけるCAD利用の歴史は古く、CADが製図の道具として使われ始めて既に20年以上が経過し、作業所でも施工図や仮設図の作成で普通に使われるようになった。
最近では立体的に取り合いを確認できる3DCADの活用や、積算ソフトとの連動といった使い方も始まっている。

(6)パソコンデータのバックアップ
パソコンのトラブルで一番困るのがハードディスクの故障である。故障したハードディスクからデータを復元・回収してくれる業者はあるが、かなりの金額を要求される上に復旧までの時間もかかるため、バックアップの仕組みを導入することをおすすめする。
パソコンデータのバックアップはバックアップツールを利用して外付けハードディスク等に保存する方式が一般的だが、最近はクラウドを利用したオンラインバックアップも増えてきた。

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