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3. 建設業向けソフトやサービスの活用

(1)工事写真管理ソフト
工事写真管理ソフトは、写真に工種や工法といった建設業独自の情報を登録することで、簡単に仕分けが行えるソフトになっている。また、工事写真アルバムを簡単に作成する機能や、電子納品の提出用CD作成機能なども備えている。
CALS/ECによる電子納品の実践もあり、工事写真もデジタル写真が一般的となってきたが、ただ単に写真をデジタル化しただけでは、写真整理やアルバム作成、保管といった時間のかかる部分は効率化されない。特に建築工事の場合は、工種や撮影ポイントも膨大で、竣工までに撮影される写真が何万枚という単位になることもよくある。工事写真管理ソフトを導入することで、これらを整理していく労力や時間を大幅に軽減することができる。
簡単に効率化が図れるために導入されている人も多いと思われるが、作業所の中で各担当者がバラバラなソフトを使用していては、後で無駄な作業が発生してしまう。ソフトウェアを統一し、最初に写真整理のルールを決めておくことが重要である。

図3-1 工程表作成ソフト
図3-1 工程表作成ソフト

(2)工程表作成ソフト
Excel等の表計算ソフトを使っても工程表を作図することは可能であるが、変更や修正作業には向いていない。工程表作成ソフトを導入することで表作成作業が自動化されるため、変更・修正の手間が大幅に削減される。
工程表作成ソフトには、専用に開発された有償ソフト以外にもExcelを利用したフリーウェアも多数存在するが、Excelを利用したものは簡易作成ツールと考えたほうがよい。専用ソフトには全体工程表から月間工程表や週間工程表を切り出せるタイプのものが多く、実施工程との対比ができるものもあるため、工程計画の手間を軽減したいなら専用ソフトの導入が効果的である

(3)工事原価管理ソフト
工事原価管理ソフトとは、作業所の予算に対する原価(実際にかかる予定の金額)を予測し予算オーバーしないように管理するためのソフトである。
実行予算書から下請業者への見積書を作成し、それに対する発注金額を入力することで予算の消化状況を把握できる。また、出来高請求処理や今後支払予測を入力していくことで最終的な利益予測を立てることができる。
最近は市販ソフトも増えてきており、導入しやすくなってきた。

(4)グリーンファイルの電子化
作業所におけるグリーンファイル(労務安全書類)の管理・確認作業にはかなりの手間がかかっている。そこで、ITを利用した書類作成の簡略化と管理業務の効率化が注目され始めてきた。
下請業者から提出される労務安全書類を電子ファイル化することで、作成する側の手間や紙代といったものが削減され、管理する側も電子データ管理なので確認しやすくなる。
Excelを使ったシステムが一般的であったが、最近は本社・支店からも各現場の整備状況を確認できるASPサービスがコンプライアンスの観点から注目されている。

(5)電子購買システム
電子購買システムとは、電子商取引を利用して下請業者と受発注業務をする仕組みのことで、建設業振興基金のCI-NETが有名である。
電子購買システムを導入すると、見積依頼・回答や注文書発行業務のスピードアップが図れる上、契約を電子に切り替えると下請業者側の印紙税負担が不要となるなど、導入効果は大きい。
データ入力作業の効率化の面から工事原価管理ソフトと連携して導入されるケースが多く、契約時の明細データを利用した出来高・請求業務の電子化にも利用されている。

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