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HOME >> Ⅶ 土木工事における最新の電子納品改定ポイントと現場の対応について >> 1. 電子納品等要領の改定

1. 電子納品等要領の改定

2010年9月に国土交通省の電子納品等要領及びガイドラインが大幅に改定された。
一見、単なる電子納品形式の変更と思える改定ではあるが、実は根本的な考え方が大きく変わっている。
電子納品の解説については、各種書籍などが出ているものの、特に受注者向けにピンポイントで解説している書籍が少ない。そこで改定発表後に日本建設業連合会で作成された受注者向け解説書類を中心とし、最新の電子納品への対応方法を具体的に説明する。
本改定ポイントの解説資料と合わせて、国土交通省CALS/ECサイトと、日本建設業連合会のサイトにアクセスし、電子納品に係る改定点の概要など必要な資料は手元に置いておくことをおすすめする。

(1)用語の定義
今回の電子納品では、「工事書類」と「工事完成図書」いう言葉を使い分けている。以下の表を参考にしてほしい。

表1-1 工事書類と工事完成図書の定義
名  称 定  義
工事書類工事において、電子的手段(情報共有システムの利用)によって発注者に提出する書類を示し、提出するフォルダ構成やファイル名等は、各電子納品要領・基準・ガイドラインに掲載されている構成とする。
工事完成図書工事の業務最終成果品として電子成果品と紙成果品の2つで構成される。今回の改定では、工事完成図書として電子成果品と紙成果品のどちらも求めるものとして、「工事完成図」と「工事管理台帳」の2つが決められた。

今までの電子納品はこれらの言葉を混在していた部分があるが、今回の基準・ガイドライン等では明確に切り分けて利用している。
よって、今後は皆さんも「工事書類」と「工事完成図書」という言葉の違いを意識して電子納品等要領・基準・ガイドライン、さらには日本建設業連合会にて作成された資料を読み込んでほしい。
なお、今回の工事完成図書では、従来の二重納品を彷彿とさせる電子データと紙資料の二重提出が義務付けられたが、これは、電子データの柔軟性と紙資料の堅牢性の長所をどちらも網羅すべき対応として検討された結果であるため、これを二重納品とは意識せず今回の改定を見てほしい。
詳しい内容については、電子納品等運用ガイドライン【土木工事編】(平成22年9月版)のP7に記載されているので、そちらを参照してほしい。

POINT POINTその1
用語の定義を再確認しよう。

(2)電子納品等の対象工事
今回の電子納品等要領・基準・ガイドライン適用事業は「河川事業」「道路事業」「公園事業」とされており、「営繕事業」や「港湾事業」には適用されない。
受注者は発注事業種別により、電子納品等の対応を分けなければならないため注意が必要であり、事前にどの事業に適用するのか必ず確認することが重要である。

POINT POINTその2
電子納品対象事業を確認しよう。
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